中年の学習ノート

無能で臭い中年の学習帳です

【教科書を読む 1 】ソーシャル・キャピタル 社会構造と行為の理論 / ナン・リン (2008) ①

要約

第一章 資本の理論 

  • 資本とは? → 市場で利益を得ることを目的として、投資され、活用される資源

  • 社会関係資本ソーシャル・キャピタル)とは? → 資本を社会関係の中から捉え、人が埋め込めれた構造的な制約や機会を抽出する試み

  • まずは資本に関するこれまでの理論を概観

古典的理論
  • 資本は、商品の生産と交換によって生じる剰余価値の一部(マルクス)。要はピンハネの部分

  • 資本家が生産手段をコントロールしており、労働者は剰余金を得られず資本を蓄積できない

  • したがって労働者から資本家への階級移動は生じない

  • 資本主義の前提に階級の分化があると指摘

新資本理論
  • 人的資本: 労働者の中に資本(技術と能力)が内在するという考え

  • 人的資本を高めると最低限の交換価値(最低賃金)以上の給料を資本家に要求できる

  • 高技能労働者は高い給料で資本の蓄積も可能なため、資本階級への移動も可能となる

  • 資本家からみた手段・コストとしての労働ではなく、より目的的な労働観への推移

文化資本
  • 文化とは? → 支配階級の価値観を、教育を通して、社会全体の文化や価値であると誤認させること(ブルデュー

  • 勤勉とか忍耐とか、なんでやるのか分からない勉強の類とか

  • 文化資本の獲得を内面化し、その文脈にしたがって個人の能力を高めることで、人的資本を高めることができ、階級移動へ繋がる

  • 人的資本の獲得は文化資本、または教育環境などに強く依存する

  • 目的的行為と環境(構造)の相互作用の中で、獲得できる資本が変動する

  • その相互作用をより明確にしようというのが社会資本

俺の感想

子供は労働者としての価値観を内面化させられ、世に送り出される。その中で、支配階級の文化の文脈で「優秀」な者が、少しだけ給料が高くなって資本階級へ近いていく。その選別が学歴であり、文化資本をどれだけ身につけたのかを測るバロメータとして機能するが、学問(研究)を追求しすぎると、社会の文化資本とずれてくるので、博士号取得者よりも学部や院の新卒の方が好まれたりもする。 「彼ら」に気に入られて他の人よりも年収を高くするためにハイパー禁欲的な生活を自己に強いているのが現代の人々だが、文化資本を内面化しすぎると自己を喪失するので辛い。とはいえそれを軽視しすぎると全く金を稼げない。文化資本を内面化せずにゲーム的に捉えた上で自分の欲望の文脈に回収し、あくまでも欲望に身を任せて生きる豪胆さが必要なのではないかと思う今日この頃。